徐狼三國志
この話はフィクションであり
実際の三國志とは何の関連もありません。
第四話 降伏の使者
曹操軍は都を出発した。
もちろん、徐庶も従軍していた。
さすが曹操軍だけあって、その足並みはそろっており、
軍の進む速さも他の軍とは違っていた。
新野城に近づくにつれて徐庶のあせりは大きくなっていった。
(何か、言い方法はないか・・・。)
そして、曹操軍は宛城の近くまで着た。
そこで、荀イクはこう言った。
「丞相、これから戦いになるので、
行軍で疲れた兵馬を休ませる意味で、
宛城に入場なさってはいかがでしょう。」
「そのとおりだ。これより宛城に入場すると各部隊へ早急に伝えてくれ。」
と、いう事でとりあえず行軍の足は止まったのである。
曹操軍は宛城で、軍備の再整備をおこなっていた。
そんな最中、劉jの使者・宋忠が訪れた。
「宋忠よ、劉表が亡くなった事、非常に残念であるぞ。」
「はい、亡き劉表様もそのように丞相が申し上げたのを聞いて、さぞかし喜んでいるでしょう。」
「さて、一体何のようで訪れた?」
「このたびは、降伏の使者として訪れました。」
辺りがざわめいた。
徐庶の顔は青くなっていた。
そばにいた程cが、
「大丈夫か、顔色が悪いぞ。」
と、いった。徐庶ははっとして、
「大丈夫だよ。」
と、すぐに答えた。
「降伏とな・・・。どういうことかな?」
「はい、我々は戦いの為に荊州の民が傷つくのを見たくはありません。
よって、降伏に踏み切ったのです。
きっと、この方が亡き劉表様も喜びになると思いまして・・・。」
「ほう、なるほどな。そちたちは賢明な臣下であるな。
そなたらのような配下をもって、劉jも幸せよな。
あいわかった。降伏を認めよう。
劉jに後々会おうと言う旨を伝えてくれ。」
「ありがとうございます。」
と、言って帰っていった。
曹操は口ではこのように言ったが、
そのあとの喜びようは凄まじかった。
この日、曹操軍の唯一人を除いて酒に酔いしれた。
その一人とは、もちろん徐庶である。
(何たる事だ!こんなことになるとは!ああ、一体どうすれば・・・)
と、考えていると、程cがやってきた。
「どうした、酒を飲まないのか?」
「いや、気分がわるくて・・・。」
「大丈夫なのか?」
「少し横になっていれば大丈夫だよ・・・。」
「今日はもう寝た方がいいだろう。
私が丞相に許可を取ってくるよ。」
「すまない。」
程cは、冷静沈着であり冷淡な部分もあるが、
こういう時は、まったく違った温和な態度をとるのである。
「とってきたぞ、さあ、もう寝なさい。」
「ありがとう、感謝するよ・・・。」
と、いって、徐庶は退席した。
しかし、いくら寝ようはしても眠れなかったのであった・・・。
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