ゼークトハイマー城ミステリー殺人事件
(疑惑の章)
これはフィクションであり、まあ、原作とは何の関連もありません。
「あれ、門が開いてる。」
小五郎が言った。
「あれ、おかしいですね。この門はブリッジも兼ねていて、
堀を渡る時に使うのですけど・・・。
確かブリッジを上げたはずなのですが・・・。」
有明香奈が言った。
そして、門の方に近づいていくと・・・。
「ばかな・・・。」
誰かが声を漏らした。ブリッジは何かで切り落とされていた。
「・・・我々は犯人にまんまとやられたようですな。」
小五郎が言った。
「どういうことだ!?」
斎藤孝司が小五郎に聞いた。
「いいですかみなさん、
私達は見事この城に閉じ込められたのですよ。
閉じ込められただけなのならいいのですけどね・・・。」
小五郎が答えた。
「だけならいいというのはどういうことなんだ?」
斎藤靖彦がさらに小五郎に聞いた。
「おじさんたち、まだわからないの?」
コナンが口を開いた。
「犯人があのおばさんを殺すだけなら、わざわざ閉じ込める必要もないでしょ?」
「まさか・・・。」
斎藤一彦の顔が青ざめた。
「そう!!まだ、犯人には殺したい人物がいるという事です!!」
小五郎が言った。
「冗談じゃないよ・・・。俺は殺されたくないよ!!結婚したばかりなんだぞ!!」
「しずまれ!!一彦!!」
斎藤芳彦が言った
「毛利さん。この事態を打開する方法はないですか。」
斎藤芳彦は小五郎に聞いた。
「一番の方法は、犯人を捕まえる事です。
犯人はこの城に潜んでいる確率は高いでしょう。」
小五郎が言った。
「どうしてですか?」
大宮鉄也が聞いた。
「このブリッジを切り落とすには、犯人はこちら側にいる必要があるからです。
それに、犯人にまだ殺したい人物がいるはずですからね、
中にいないと殺せないでしょう?」
「でも、私達をここで餓死させる為にやった可能性も・・・。」
有明香奈が小五郎に聞いた。
「じゃあ、犯人は私達と一緒に心中するつもりですか?
その可能性もあるでしょうなぁ。
でも、それでは、殺す機会を逃す可能性も高いですなぁ。」
「どうしてですか?」
「なぜなら、ここに誰かが来て、助ける可能性もありますからねぇ。
餓死させるよりは、自分の手で殺した方が確実でしょう?」
小五郎は言った。
(おっさん、今日はいやにさえてるな・・・。)
コナンはこう思ったのであった。
「で、どうするべきなのです?」
斎藤芳彦はもう一度聞いた。
「そうですね、とりあえず、皆さんでどこかの部屋にかたまりましょう。」
小五郎は言った。
全員は軍議の間、いわゆる、会議室のようなところに集まった。
パーティー会場も広くてよかったのではあるが、
なにしろ、あの事件の後なので、誰も行きたがるはずもなく、
ここになったのである。
「さて、男全員で、犯人を捜してみますか。」
小五郎は言った。
「えっ?」
斎藤孝司が思わず声を漏らした。
「犯人は、この城に潜んでいる可能性が高いです。
これ以上、殺人がおこらない為にもぜひやっておく必要がありますからね。」
「私は毛利さんに賛成です。
妻の為にも犯人を捕まえてやる!!」
金子拓也が言った。
「でも、私達の中に犯人がいたら?」
大宮鉄也が聞いた。
「だから、全員でまわるのです。
そうすれば、下手に行動はできないでしょうから・・・。」
「女性や子ども、ご主人様はどうするのでしょう?」
有明香奈が聞いた。
「ここにいて下さい。」
小五郎が言った。
「でも、男がいなくて大丈夫でしょうか?
犯人が襲ってきたら、ちゃんと撃退できるのでしょうか?」
斎藤一彦が聞いた。
「大丈夫です。私の娘が幸い、空手を習っていますから。」
そして、思い思いの武器を拾い集めてきた一同をそれを手に持った。
「準備はいいですか?」
小五郎は聞いた。
「はい。」
全員で声をそろえて言った。
「じゃあ、蘭、そっちは頼んだぞ。」
「まかせといて!!」
蘭が言った。
そして、男達は部屋を出ていったのである。
「コナン君、現場状況ちゃんとメモっといたよ。」
元直がコナンに言った。
「サンキュー。」
コナンは、メモを見始めたが・・・。
「あまり現場のメモを見ても意味がないかもしれないな。」
コナンが言った。
「そうね、即効性の毒なら、たぶん・・・。」
哀も肯いた。
「そうだな、あのワイングラスか。」
元直が言った。
「あのワイングラスは金子静香が気に入ってたみたいだからな。」
コナンが言った。
「犯人はあのワイングラスは金子静香のお気に入りということを知ってる人ね。」
哀が言った。
「それを考えると、犯人はしぼられるな。」
コナンが言った。
「だれが、あのワイングラスについて知ってるか、調べる必要がありそうね。」
哀が言った。
「なんだ、ならメモの必要なかったなぁ・・・。」
元直が言った。
「いや、これはこれで大事だよ。犯人を追いつめる証拠になるかもしれないし・・・。」
コナンが言った。
そして、朝方になった頃・・・。
「お父さん達が戻ってきたよ。」
蘭が言った。
「で、犯人は?」
斎藤芳彦が聞いた。
「いえ、見つかりませんでした・・・。」
小五郎が答えた。
これを機に小五郎の目は、城内にいる人物に向けられるのであった。
犯人は誰なのか・・・。タイムリミットまであと72時間・・・。