ゼークトハイマー城ミステリー殺人事件
(氷の章)
これはフィクションであり、まあ、原作とは何の関連もありません。
ギイイィィィィ。
扉は開いた。
「お待たせしました。新郎新婦・斎藤一彦様・美里様のご登場でーす。」
いっせいに拍手が起った。
(なんだ、びっくりさせるなよ・・・。)
コナンは安心した。
そして、新郎新婦が姿を見せた。
「わぁー、きれい!!」
蘭が声を上げた。園子も、
「いいなぁ・・・。」
と感嘆する。藍奈の方はただ見とれているだけだった。
斎藤孝司はただ新郎の方をじっと見ていた。
さて、小五郎の方は・・・。
「おおーっ!!うつくしいかたですなぁ〜!!」
小五郎も感嘆の声を上げた。
「本当ですなぁ・・・。」
斎藤靖彦もただ見とれていた。
「ほんと・・・私とは月とスッポンだわ・・・。」
斎藤里江も同様であった。
「何を言っておられるのですか!!奥さんの方がおきれいですよ!!」
小五郎がすかさず言った。(お世辞かどうかは皆さんのご想像にお任せします。)
「そうだとも!!!」
斎藤靖彦も力強く言った。
「あら、お世辞なんて言っちゃって・・・。」
斎藤里江もこう言う割に顔を赤くしていたのであった。
さて、再びコナンたちのテーブル・・・。
「・・・・・・。」
哀は新婦の方を見ていた。・・・いや、見惚れていたのかもしれない。
まあ、どちらにしろ、新婦の方を見ているという事実にかわりはない。
「おや?見惚れているのかなぁー。」
コナンがちゃちゃを入れた。
「何言ってるの。私が自分を忘れる事なんてないわ。」
哀がそっけなく答えた。
「・・・・・・。」
元直はまだ何か考え込んでいた。
「何考えてるんだ?」
コナンが元直に聞いた。
「いや・・・気にしないでくれ・・・。」
「はぁ?」
コナンが聞き返す。
「どうしたの、伊達君。
あんまり考え過ぎると、阿笠博士みたいな頭になるわよ。」
哀の得意攻撃である。
「わしがどうかしたか?」
意外と地獄耳の阿笠博士ではあったが、
「なんでもないわよ。」
と哀が言うと、
「そうか、ならいいんじゃ。」
といって、また食事をし始めるのであった。
「さて、今日はめでたいという事で、ワインを特注しました。
いまからみなさんにおわけしますので、
どうぞお召し上がり下さい。」
「ワインねぇ・・・。」
コナンが呟いた。
「おまえたちはだめじゃぞ!!」
阿笠博士が言った。
「・・・はぁ・・・。」
元直がため息を吐いた。
「おいおい、未成年なんだぞ・・・。」
コナンが苦笑しながら言った。
「あら、あなたはお酒飲んだ事はないの?」
哀が珍しくつっこんだ。
「ははは・・・。」
コナンの顔はひきつっている。
コナンファンならわかるだろうがコナンはお酒を飲んだ事があるのだ・・・。
そうしているうちに大宮鉄也が現れ、
「どうぞ、お取り下さい。」
と言った。
「あっ、私はこのグラスね。」
金子静香はそういって、グラスをとった。
「わかっていますよ。だからここにこのグラスを持ってきたんです。」
大宮鉄也が言った。
「あら、気が利くわね。ありがとね。」
金子静香は簡単に感謝を言った。
「さぁ、博士もどうぞ。」
大宮鉄也が言った。
「ありがとう。」
阿笠博士が言った。
「君たちはこのジュースね。」
大宮鉄也が言った。
「ありがとう!!。」
コナンが言った。
「さあ、ここは結婚をお祝いして乾杯といきましょう。乾杯!!」
「乾杯!!」
「おおっ!!こりゃうまいわい!!」
阿笠博士が言った。
「・・・のみたい・・・。」
元直が呟いた。
「がまんしろって・・・。」
コナンが言った。
その時である。
「うっ!!」
という声が聞こえた。
そして、誰かが倒れた・・・。金子静香であった。
「静香?静香!!静香!!!」
金子拓也が叫んでいる。
この事態を察知した小五郎が、
「どけ!!」
といって、金子静香の所に走り込んだ。そして、金子静香の脈を取る。
「・・・・・・。」
小五郎は黙り込んだ。
「どうなんですか?」
金子拓也が聞いた。
「死んでいる。」
小五郎は言った。
この瞬間、パーティーは凍り付いたように動かなくなってしまった。
コナンにはこの時間が長く感じられたのだった・・・。
続