小学校・夜の探索(前編)
これはフィクションであり、まあ、原作とは何の関連もありません。
放課後・・・。
「ねぇ、みんな。」
歩美の声である。
「最近の学校の奇妙なうわさ知ってる?」
「えっ、どんなのだ?」
元太が聞く。
「なんか、夜になると理科室の人体模型や骸骨の模型とかが動くらしいよ・・・。」
歩美が言った。
「あれ、前に似たようなことありませんでした?」
光彦が聞いた。
「ああ、そういえば・・・。」
元太が考え込む。
「夜、小林先生が模型とかを使って、授業参観の練習をしていた時だよ。」
コナンが言った。
「ああ、それだそれ。」
元太が思い出したように言う。
「また小林先生じゃないのですか?」
光彦が聞く。
「ちがうみたいよ、小林先生は否定してるし・・・。」
歩美が言った。
「じゃあ。そういう謎めいたことは少年探偵団のお出ましだな!!」
元太が張り切っていった。
「そうですね、謎を解明しましょう!!」
光彦が言った。
「そうしよう。」
歩美が言った。
「コナン君もくるよね?。」
歩美が聞いた。
(まじ?)
コナンの顔がひきつった。
「僕たち、同じ探偵団ですから当然ですよね・・・。」
光彦が言った。
「わかったわかった。」
コナンが言った。
「灰原もくるよな?」
コナンが聞く。
「・・・わかったわ。」
灰原がいかにもいやそうに言った。
「元直君も来るよね?」
歩美が聞く。
「えっ?」
元直が思わず言った。
「来るでしょ?」
歩美が更に言う。
「でも、僕は少年探偵団じゃないし・・・。」
元直が言った。
「昨日の事件で犯人をはめるのすごかったけどな・・・。」
元太が言った。
「そうそう、君の頭脳は役に立つのですから。」
光彦が言った。
「その頭脳、人の為に役立てたくないのですか?」
光彦が聞いた。
「えっ、まぁ・・・そういうわけじゃないけど・・・。」
元直がそう答えると・・・。
「じゃあ、これからは少年探偵団ね!!」
歩美が言った。
「・・・まじ・・・。」
元直の顔はひきつっていた。
「で、くるよね?」
歩美が改めて聞いた。
「藍奈おねーちゃんが許さないと思うけど・・・。」
元直が言った。
「先生と一緒にいくっていっとけよ。」
元太が言った。
「その件なら俺が何とかしとくぜ。」
コナンが言った。
「じゃあ決定!!」
歩美が言った。
元直はため息を吐いた。
夜・・・。学校の点灯は辺りを怪しく照らしていた。
それをさらに引き立てるような静けさ・・・。
その中に少年探偵団は集合した。
「さあ、なかにはいろーぜ!!」
元太が言った。
「で、どうやってはいるの?」
哀が冷たく聞いた。
「あ・・・。」
元太の足がぴたりと止まった。
「コナン、どうする?」
こういう時の智恵袋であるかのように元太が言った。
「ったく・・・。窓の鍵くらい開けとけよ・・・。」
といい、コナンは窓を開けようとした。
ところが、窓に手をかけた状態でコナンはぴたりと止まってしまった。
「どうしたの?」
歩美が聞く。
「・・・しまってる。開けといたのに・・・。」
コナンが呟いた。
「最近、点検が厳しくなったって聞きましたからね・・・。」
光彦が言った。
「どうするの?」
哀が聞く。
「こりゃどうしようもないな。」
コナンが言った。
「じゃあ、おひらきかよ!?」
元太が不満そうに言った。
「どうしようもないだろ?入れないんだから・・・。」
コナンが言った。
「・・・仕方ないな。」
元直が言った。
「この手は使いたくなかったが・・・。」
「えっ?」
「じゃ、ちょっとついてきて。」
元直は言った。
みんなは顔を見合わせて元直のあとをついていった。
そこは用務員室だった。
「おじさーん、約束のもの持ってきたよ!!」
元直の声だ。
「おー、そうかそうか。」
用務員は機嫌のいい声で言った。
「で、約束のことなんですけど・・・。」
元直が恐る恐る言った。
「ああ、わかっとる。そこから入りなさい。でるときも、ここからでるんじゃぞ。」
用務員が言い聞かせるように言った。
「はい、ありがとうございました。」
元直はお礼を言った。
「すごーい!!元直君。」
歩美が言った。
「用務員のおじさんはお酒好きだって聞いたからね。
このお礼にってことでお酒を持ってきたのさ。」
元直が言った。
「さすがだねぇ・・・。細かいところまで目が利くねぇ・・・。」
コナンが言った。
(絶対化けの皮はがしてやるぜ)
コナンは密かに燃えるのであった。
かくして探索が始まったのであった・・・。