松永宅ガス爆発殺人事件(解決編)
これはフィクションであり、まあ、原作とは何の関連もありません。
港は静かであった。
日が落ちかけていて、赤い空には黒い烏が見えた。
増田は倉庫の中に入っていった。
倉庫は暗かった。だれもいる様子がない・・・。
「誰かいますか?」
増田は小さな声で言った。しかし、誰も返事をしない。
「だれかいますか!!!」
今度は大声で言った。
「増田さんですか?」
電話の声だ!!そう思った、増田はこう言った。
「約束通り来ました。はやく取り引きしましょう。」
「まあ、急ぐ必要はないでしょう。事件についてお話しましょうか?」
「私はあなたに話すことなんてありません。」
「まあそう言わずに・・・。聞いているだけで結構ですよ。それとも、ブタバコに入りたいですか?」
「・・・わかりました。」
「では、お話しますか。今日、あなたは一度、松永さん宅を訪れましたね。殺人の準備の為にね。」
「松永がいる時にですか?ばかばかしい!!。」
「しかしあなたはうまく松永さんを外に出すことができたのでしょう?
一回目に訪れた時のあなたの行動はこうだ。
松永さん宅を訪れ、客間かどこかに通された。
そこで、借金の話をしていたはずだ。いつ返すのかってね。
あなたはポケットに携帯を忍ばせてこういった。
『ちょっとトイレに・・・。』ってね。
そして、あなたは声を変えて、松永さんの事務所に電話した。
すると、事務所の人が受話器を取った。そしてこういった。
『今すぐ、お金を借りたいのですけど・・・。』
事務所の人はこう返してきたはずだ。
『きょうは社長が休みなので・・・。』ってね。
そして、あなたはこう言って電話を切った。
『どうしても今日借りたいのです。では、いますぐそちらにお伺いしますので・・・。』
そうすると、事務所の人は仕方なく松永さんの家に電話した。
そのことを電話で知った松永さんは、はじめは渋ったでしょうが、
来るということだったので、仕方なく出かけることにした。
そこにあなたが戻ってくる。
松永さんはこう言った。
『俺が帰ってくるまでここにいろ。逃げたらどうなるか分かっているだろうな。』
そして、松永さんは出ていった。どうです、あたっていますか?」
「・・・・・・・。」
「聞いているのですが?」
「・・・はい。あたっています。」
「では、続きの話をしましょうか。
あなたはまず、チャッカマンを取り出し、床かどこかに固定した。
チャッカマンのほとんどは拳銃のような引き金式になっている。
引き金の部分を紐で結び、ひもがずれないようにしっかり固定し、
ひものもう一方の方を持って部屋を出た。
そしてそれをドアのノブに結び付けた。
ひもは透明に釣り糸か何かを使用したのでしょう。
透明であれば、ひもが結び付けてあることに気づかないし、
プラスチック製であれば、とけてしまえば何の痕跡も残らないはずですからね。
そして、ドアの隙間からガスを部屋に充満させ、家を出た。
用意してきた、もう一足の靴を履いてね。
履いて来た靴を置いていかないと、松永さんに家を出ていってしまったことがばれて、
部屋に戻らずに探しに行ってしまう可能性がありますからね。
その間にもガスは部屋から抜けていってしまいますからね。
そして、事務所に電話をした。
『今日は用事ができてこれなくなった。」ってね。
すると、松永さんは急いでかえってきた。
そりゃ、あなたが逃げている可能性がありますからね。
玄関にはあなたの靴が置いてあるからとりあえず安心して、
部屋のドアを開けた。すると、チャッカマンのスイッチが入って、ガスに引火して・・・。
どうです、あたっているでしょう・・・。」
「・・・はい。」
「そして、全焼してからあなたは現場の発見者になる予定だった。
しかし、半焼で終わってしまった。置いて来た靴も燃やしてしまうはずだったあなたは、
今度は、松永さんの知人として、現場に入っていき、
玄関の靴を回収した。まだ持っているでしょう?現場にあった靴を。」
「・・・はい。もっています・・・。なぜそんな事が分かるのですか?」
「あなたには質問する権限がないはずですよ。
では、とりあえずカギを返しましょう。」
すると、鍵が落ちてきた。増田は鍵を拾ってある事に気づいた。
(鍵に毛皮のキーホルダーがついてる。現場にあったのなら燃えてしまっているはずだ!!)
「謀ったな!!」
増田を大声を上げた。
「ばれちゃったね。」
今度は子どもの声だ。
「ちゃんとテープレコーダーに録音させてもらったよ。」
「くそっ!!」
増田はものすごい形相で階段を上っていった。
そして、コナンたちを追いつめた。
「私を謀ったことを悔やむがいい。」
そういって、増田はコナンたちに近づいていった。
すると、ゴーッという音がした。
「何だ?」
増田が横を見た瞬間、
白い大きな物が増田のからだにあたり、増田は吹っ飛んでいった。
そして、壁にからだを打ち付け、気絶した。
「やったあ!!」
歩美が喜びの声を上げた 。
「絶妙なタイミングでしたよ。」
光彦がいう。
「まあな!!。」
別の通路で元太が照れながら行った。
そこには転校生・伊達元直の姿もあった。
白い物体とは中にいろいろなものが詰め込まれた袋で、それは天井にぶら下がっていた。
それを振り子の要領で犯人めがけて投げつけたのであった。
「じゃあ、コナン君は、警察に電話して、匿名でね。
僕はテープレコーダーセットするから。」
「わかったよ。」
コナンは外に出ていった。
「えーっ、おれたちのお手柄にしないのかよ。」
元太が不満を言う。
「でも、ヒーローにはなれるよ?影で街の平和を守るね・・・。」
元直はテープレコーダーをセットした。
30分後警察が到着し、増田は無事逮捕された・・・。
「なあ、あれでよかったのか?」
元太が言った。
「そうですよ。僕たち有名人になれたのですよ?」
光彦が言った。
「これでよかったの。有名なっちゃったら新たな事件の犯人に警戒されちゃうよ?」
元直が言った。
「そう。私たちは子どもだから警戒されないのだから・・・。」
哀が言った。
「コナン君、なに考えてるの?」
歩美が言った。
「えっ、ううん、なんでもないよ。」
コナンが言った。
(伊達元直・・・。子どもにしては行動がおかしすぎる・・・。)
哀がコナンにささやいた。
「伊達元直のことでしょ?警戒した方がいいわよ。」
「ああ、わかってる・・・。」
「コラ!!」
大きな声がした。
「あ、藍奈おねーちゃん!!」
元直は振り向いた。
「こんな遅くまでなにしてるの!!まったく心配かけるんだから・・・。」
藍奈は言った。
「もう子どもじゃないって・・・。」
元直が言った。
「小学生のどこが子どもじゃないっていうの!?」
藍奈が言った。
みんながこのやりとりに笑った。
「ほら、コナン君もよ。帰るわよ」
「蘭ねーちゃん!?」
「わらってないで、帰るわよ。」
元直は藍奈に、コナンは蘭に引っ張られていってしまった。
「な、なあ、おれたちもかえろうか・・・。」
元太が言った。
「うん・・・。」
歩美が肯いた。
「ねえ、蘭ねーちゃん。」
「なあに?」
「さっきのひと・・・。」
「ああ、藍奈ね・・・。今日、転校してきたのよ。
細川藍奈っていうのよ。」
「あれ?元直と名字が違うよ?」
「うん、居候なんだって。突然、頼まれて預かった子なんだって。コナン君に似てるわね。」
コナンは愕然とした。
(これは、まさか・・・。)
この予感があたるのはそう先のことではなかったのである・・・。
続